COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年2月9日木曜日

【文献紹介】投球動作における軸足股関節の運動学的特徴

 本日は、投球動作において軸足の運動が投球フォームにどのような影響を与えるかを検討された論文を紹介します。

内田智也ら:投球動作のEarly Cocking期における軸足股関節の運動学・運動力学的特徴. 臨床スポ 25(1)16-232017
 
 投球フォーム不良は投球障害を引き起こす要因のひとつとされています。そのひとつにEarly Cocking期の骨盤の過後傾や開き、股関節の屈曲不全が挙げられ、その後の投球フォームの不良動作を招くとされています。その評価項目として客観的な指標が報告されていたので、文献の中から臨床において評価しやすい股関節の角度について考察を交えて紹介します。
 対象は健常な中学野球選手です。股関節角度の測定方法として、モーションキャプチャーシステムを用いて投球動作を撮影し、Early Cocking期の軸足動作の評価を行っています。撮影された投球動作を元に、重心の位置や骨盤の回旋の程度などで良好群と不良群にグループ分けされています。
 結果は良好群の股関節が優位に屈曲していたと結論づけられています。
 Early Cocking期に股関節が屈曲位にあることで骨盤の過後傾を抑制できると考えます。投球動作を遂行する上でEarly Cocking期に股関節が屈曲位を維持するためには、股関節や膝関節の伸筋の筋力が必要になると思います。
 投球動作でのEarly Cocking期において、骨盤の過後傾、股関節の屈曲不全の不良動作を認める場合、股関節、膝関節の筋力を評価した上で投球動作指導を行う必要があると考えました。今後の臨床に生かしていきます。


投稿者:中井亮佑

人気の投稿