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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年11月11日金曜日

【文献紹介】半月板損傷に対して手術療法が良いか保存療法が良いか

 半月板損傷に関して、切除が良いのか縫合が良いのか、また手術療法が良いのか保存療法が良いのか、など様々な著者による報告が見受けられます。

 
Nina Jullum et al. Exercise therapy versus arthroscopic partial meniscectomy for degenerative meniscal tear in middle aged patients . randomised controlled trial with two year follow-up. BMJ 2016;354-374 

 本日紹介する論文はレントゲンにて決定的な関節変形を認めていない半月板損傷症例140例を対象としています。被検者の平均年齢は約50歳です。
 運動療法群と手術療法群に分けて、受診2年後の膝の機能と受診3ヶ月後の大腿部の筋力としています。両群を比較したところ機能に差はなく筋力は運動療法群の方が増加していたことから、著者らは退行変性のない半月板損傷の症例に対して運動療法を推奨するべきと結論付けています。
 臨床において半月板損傷の症例の主訴は、歩行時や階段昇降時などの疼痛が多いかと思います。他の疾患でも言えることですが、少なからず半月板損傷では疼痛がどの組織由来なのかをはっきりとさせ適切な理学療法を行うことで、保存療法にて半月板損傷の症状は改善することがわかりました。今後の臨床に生かしたいと思います。


 執筆者:中井亮佑

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