COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年11月27日日曜日

第112回京都支部定例会

昨日第112回京都支部定例会を行いました。


今回は為沢一弘先生による「FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)に対する運動療法の考え方」と天鷲翔太による「PCL再建術後、膝窩部に疼痛が生じている一症例」についての症例検討をさせていただきました。









為沢先生による「FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)に対する運動療法の考え方」では股関節、股関節唇、股関節周囲の軟部組織の解剖学的特徴からどのようなメカニカルストレスが加わるのか、病態の解釈からどのように評価、治療へ展開していくのかについてお話していただきました。



症例検討では2グループに分かれ、ディスカッションをしていただき、各グループから意見をいただきました。足りない評価、評価からどのように疼痛を解釈していくのか、どのようなメカニカルストレスがかかるかを動作から評価していくこと等の考え方、多くの意見をいただきました。
今回症例を提示させていただき、自分に足りていないことばかりで、特に評価についてはまだまだ勉強が足りないことを痛感しました。月曜からの臨床でしっかり活かせるようにします。




次回の定例会は1217日(土) 
中井亮佑先生による「股関節の触診-後面の筋-」についてレクチャーしていただきます。
ぜひご参加ください。




投稿者:天鷲翔太

2016年11月21日月曜日

京都府理学療法士協会 第3回北部研修部研修会に参加しました

昨日、第3回北部研修部研修会に参加しました。
投球動作について信原病院・バイオメカニクス研究所の田中洋先生がご講演してくださいました。


信原病院バイオメカニクス研究所 田中洋先生 「投球動作のバイオメカニクスとその臨床応用」

モーションキャプチャーを用いた3Dでの動作解析、動作の数値化など高度な技術を用いて投球障害についてご講演してくださいました。

野球経験のない私には少し難しく感じましたが、投球動作のどのフェイズでどのような運動が生じるのかを角度などで数値で示してくださったのでイメージしやすく、興味深かったです。
勉強会に参加して、理想的な投球動作、ケガのしにくい投球動作について知らなければならないなと感じました。

また勉強会に参加したら報告します。

投稿者:堀内奈緒美


2016年11月17日木曜日

【文献紹介】TCFFの損傷形態と疼痛の関連について

 三角線維軟骨(以下、TFCC)損傷は必ず疼痛を生じる障害ではないとされています。これは、腱板損傷や半月板損傷にも言えることですが、損傷した組織にメカニカルストレスが加わることにより疼痛が惹起されると考えられます。同じ衝撃でも損傷の形態によって損傷部位に加わるメカニカルストレスが変化するため、疼痛の有無に関わるかと考えました。
 そこで今回は、TFCCの損傷形態と疼痛の関連性について検討された論文を紹介します。対象を骨疾患を認めないTFCC損傷症例を疼痛群と非疼痛群に分けて、損傷形態などを比較されています。

 
※文献詳細は図に提示 

 疼痛群に存在して非疼痛群に存在しなかった損傷形態として、TFCCの周辺部損傷が上がっています。周辺部の損傷はTFCC損傷における尺側部痛を惹起しやすいと考えられます。一方、実施部の損傷においては両群とも差がありませんでした。このことから、実質部の損傷による尺側部痛においてはTFCCのみならず他の組織由来の疼痛や特徴的な動態があるのではないかと考えました。
 TFCC実質部の損傷は何らかのメカニカルストレスを軽減させることにより疼痛が改善する可能性を示唆している論文でした。今後の参考にしたいです。

投稿者:中井亮佑


2016年11月13日日曜日

【文献紹介】本邦におけるリバース型人工肩関節全置換術の上腕骨コンポーネントと上腕骨サイズの不適合性

今回紹介させていただく文献は本邦におけるRSAの上腕骨コンポーネントサイズの不適合性について検討した文献です

南義人ら:本邦におけリバース型人工肩関節全置換術の上腕骨のコンポーネントと上腕骨サイズの不適合性.肩関節.第40巻2号:2016

検討項目は身長と上腕骨頭径です。対象は42例43肩(男性:14例、女性:28例)、全例CTAによりRSAが施行されています。検討項目は身長と上腕骨頭径の相関です。上腕骨頭径はCTを用いて前額面上での上腕骨解剖頚の最大長(AP長)、水平面上での上腕骨解剖頚の最大長(ML長)を計測しています。

結果は身長が140cm以下の症例は上腕骨頭径が36mm以下となると報告しており、上腕骨頭径と身長には相関があり、低身長の症例は上腕骨頭径が小さい傾向にあったと報告しています。
今回の検討は上腕骨頭径の計測が2次元であること、実際の骨切り面と一致していないこと、上腕骨頭の変形が考慮されていないことが限界として述べられており、今回の検討方法で上腕骨頭径が36mm以下であっても必ずしもコンポーネントの設置が困難になるわけではないと述べています。しかし身長が140cm以下の症例においてはコンポーネントを安全に設置できるよう考慮が必要であると述べています。


本邦ではRSAに対する報告が少ない中で、コンポーネントの不適合性について検討してる文献を見つけたので今回紹介させていただきました。
しかし今回の検討でも必ずしも低身長であるとコンポーネントのミスマッチが生じる訳ではないと報告おり、どのような人がミスマッチしやすいのか検討している文献を見つけたらまた紹介させていただきます。

2016年11月11日金曜日

【文献紹介】半月板損傷に対して手術療法が良いか保存療法が良いか

 半月板損傷に関して、切除が良いのか縫合が良いのか、また手術療法が良いのか保存療法が良いのか、など様々な著者による報告が見受けられます。

 
Nina Jullum et al. Exercise therapy versus arthroscopic partial meniscectomy for degenerative meniscal tear in middle aged patients . randomised controlled trial with two year follow-up. BMJ 2016;354-374 

 本日紹介する論文はレントゲンにて決定的な関節変形を認めていない半月板損傷症例140例を対象としています。被検者の平均年齢は約50歳です。
 運動療法群と手術療法群に分けて、受診2年後の膝の機能と受診3ヶ月後の大腿部の筋力としています。両群を比較したところ機能に差はなく筋力は運動療法群の方が増加していたことから、著者らは退行変性のない半月板損傷の症例に対して運動療法を推奨するべきと結論付けています。
 臨床において半月板損傷の症例の主訴は、歩行時や階段昇降時などの疼痛が多いかと思います。他の疾患でも言えることですが、少なからず半月板損傷では疼痛がどの組織由来なのかをはっきりとさせ適切な理学療法を行うことで、保存療法にて半月板損傷の症状は改善することがわかりました。今後の臨床に生かしたいと思います。


 執筆者:中井亮佑

2016年11月6日日曜日

第27回臨床スポーツ医学会に参加しました。

 千葉の幕張メッセで開催されました第27回臨床スポーツ医学会に参加しました。
 
 京都下鴨病院からは中井亮佑が『肩甲上腕関節の可動性が肩甲骨回旋位置に与える影響~拘縮肩症例での検討~』を研究報告いたしました。

現場におけるケガの実態から考えられるスポーツ障害の解釈についての報告が多くとても勉強になりました。

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