COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年10月30日日曜日

第6回関西肩コラボレーションミーティングに参加しました

昨日神戸で関西肩コラボレーションミーティングが開催され、理学療法士4名が参加しました。


「肩関節拘縮の結滞操作改善」 畑中仁堂先生(名倉堂じんどう整骨院アスリート:、柔道整復師)

「投球動作における肩関節拘縮の原因と対策」 橋本恒先生(甲南大学、ATC)

「肩関節う拘縮に対する超音波評価と運動療法の考え方」 
                           林典雄先生(運動器機能解剖学研究所、理学療法士)

「動かない肩の診察と治療法-関節外、関節内、腱板による3因子から-」
                           浜田純一郎先生(桑野協立病院整形外科、医師)

肩関節拘縮というテーマで4名の先生のご講演をお聞きしました。

各先生によって病態を把握するために見ていく場所や順番が異なり、アプローチ内容も大きく異なっており、非常に興味深かったです。
また、講演会の最後には総合討論があり、ここでは実際に症例が壇上に来て、その場で超音波を用いての評価や、アライメント、肩甲骨の動きなど様々な評価や実際に治療を生で見ることができとても貴重な経をさせていただきました。
今回学んだことを臨床に活かし、拘縮肩の患者さんをよくできるように努めていきます。





2016年10月28日金曜日

合同勉強会を実施しました


本日、業務終了後に看護師と理学療法士の合同勉強会を行いました。

合同勉強会は今回が初めてです。
内容はTKA後の患者への看護師のありかたについて小野志操先生がレクチャーしてくださいました。






解剖や修復過程、実際の症例の経過や検討結果などを用いて、術後どのような状態になり、時期に応じて何が必要になるかお話してくださいました。
看護師向けのレクチャーでしたが、参加させていただき術後早期にやらなければならないことを再確認できたと共に、技量を上げていく必要があると強く感じました。
適切な「期間」に適切な「強度」「頻度」でアプローチできるように努めていきます。

2016年10月25日火曜日

【文献紹介】膝蓋骨内側の支持構造について

 本日は膝蓋骨内側の支持構造について、特に内側膝蓋大腿靭帯(以下MPFL)の形態について観察された文献を紹介させていただきたいと思います。








小泉ら:膝蓋骨内側の支持構造について-特に内側膝蓋大腿靭帯の形態- 第14回臨床解剖研究会記録2010.9.11




この文献では50歳から99歳のご遺体31体の下肢31(男性14、女性17)を用いて解剖を行われています。



解剖の結果、
MPFLの大腿骨起始部は内側上顆の後方および内転筋結節の下方、腓腹筋内側頭の起始部の前方に位置している。また、大内転筋の停止腱は前後に二分して扇状に広がり、その間から起始している。

MPFLは内側側副靭帯の表層を走行し、扇状に広がり、内側広筋の深層に入り込み、内側広筋の停止腱と強く結合して膝蓋骨の上部2/3の内側縁の内側縁に付着する。

MPFLの上縁、下縁が明瞭なもの、上縁のみ明瞭で下縁は不明瞭なものに分けられる。下縁が不明瞭なものでは関節包に移行しており、境界を区別することは困難であった。


 

 上記した①~③のことが今回明らかになりました。
 膝関節屈曲動作において膝蓋骨の可動性は重要になると考えます。大内転筋停止腱の間から起始すること、内側広筋停止腱と結合していることを考慮し、アプローチしていく必要があると感じました。
 また、MPFLは膝蓋骨の外側への脱臼を制動していますが、内側広筋や大内転筋等の筋が関与することを踏まえて評価、アプローチしていくことが重要になるのではないかと思いました。今後の臨床に活かしていきたいと思います。




投稿者:天鷲翔太

2016年10月24日月曜日

講演会告知『骨折の機能解剖学的運動療法~その基礎から臨床まで』


桑名西医療センター リハビリテーション科 理学療法士 松本正知先生の著書「骨折の機能解剖学的運動療法」が発刊されたことを受けて、『骨折の機能解剖学的運動療法~その基礎から臨床まで』と題して、イントロダクションを運動器機能解剖学研究所 代表取締役 林 典雄先生、手術療法を岐阜大学附属病院 整形外科 青木隆明先生、画像読影を中部学院大学看護リハビリテーション学部 教授 浅野昭裕先生、運動療法を桑名西医療センター 松本正知先生に語っていただきます。当日受付先着順で開催いたします。一日骨折に限定して深く理解を深めていきたいと思います。

株式会社 運動器機能解剖学研究所主催 第1回講演会
開催日時:平成29年1月22日 日曜日 9時受付開始 9時30分〜16時まで
会場:東別院会館ホール
   〒460-0016 名古屋市中区橘2-8-45
定員:400名(当日受付先着順、事前参加申込不要)
参加費:5,000円(学生2,000円)

会場アクセス

第112回定例会「FAIに対する運動療法の考え方」ご案内


第112回定例会ご案内

開催日:平成28年11月26日 土曜日
時間:受付18時〜 開始18時30分
会場:京都下鴨病院 2階 リハビリ室

レクチャー:「 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)に対する運動療法の考え方」
講師:為沢一弘先生(京都下鴨病院 理学療法士)

症例検討:募集中参加費:会員無料、会員外500円    事前参加登録不要

※LINE@でも情報発信しています!
LINE@にご登録いただくと、10回の定例会参加で来年のベーシックセミナーが割引となるポイントカードサービスが受けられます。

LINE@登録はこちらから


※ 定例会での検討症例を募集しています!
  • 症例の個人情報の取り扱いには十分注意してください。
  • 必ず症例ご本人もくはご家族に承諾を得てください。
  • 可能であれば単純X線、CT、MRIなどの画像や動作の動画などを準備してください。
  • Power Pointで作成したスライドおよびレジュメ30枚程度を準備してください。
  • 15分程度のプレゼンテーションを行って頂きます。

検討症例応募はこちらから

2016年10月23日日曜日

第111回京都支部定例会

昨日第111回京都支部定例会を行いました。

今回は宇治武田病院の藤原信吾先生による「股関節周囲の触診・内側の筋」のレクチャーでした。






深層にある筋もターゲット以外の筋を緩め、収縮や伸張を使うことで始から停止部まで丁寧に触診しました。何筋を介して触れているのか、位置関係がイメージできているかどうかで触診も変わってくると思いました。今日レクチャーしていただいたことを朝の時間を使って復習したいと思います。



今回の定例会には東京関節外科センター昭島整形外科の八木茂典先生もご参加下さり、定例会の最後にお土産レクチャーをして下さいました。とても勉強になり、早速臨床に生かしていきたいと思いました。


次回の定例会は11月26日です。
京都下鴨病院為沢一弘先生にFAIの運動療法についてレクチャーしていただきます。
ぜひご参加ください。

2016年10月20日木曜日

【文献紹介】筋力増強に用いる収縮方法について

 本日は筋力増強に用いる収縮方法について検討された論文を紹介します。

 理学療法士の役割のひとつとして筋力増強を目的とした運動療法があります。筋力増強を行うには適切な強度と頻度が必要となります。その適切な運動を設定する上で収縮方法の選択は重要です。
 
 そこで本日は、遠心性収縮を利用した訓練法とその他の訓練法との比較された論文を紹介します。


長尾史博:遠心性収縮を利用した訓練法とその他訓練法との比較.リハ医学18(6)321-3331981.

 健常人の小指外転筋を対象に行われています。方法は、強度の異なる遠心性収縮のグループを2つ、等尺性収縮のグループ、求心性収縮のグループの4グループに分け、運動実施前後の筋力を測定比較されています。また、運動は8週間行われました。
 結果の表より、120%程度の遠心性収縮をしたグループが最も筋力増強しており、その次に等尺性収縮をしたグループとなっています。
 等尺性収縮より遠心性遠心の方が筋力増強に向いていることがわかります。しかし、遠心性収縮は筋の付着部に強い牽引ストレスが加わることが問題点になるかと思います。そのため、遠心性収縮と比較するとストレスの少ない等尺性収縮での運動が望ましいのではないかと思います。
 今後の筋力増強運動のプログラムを立てる際の参考にしたい論文でした。

投稿者:中井亮佑

【文献紹介】棘上筋停止部に関する解剖学的検討

 棘上筋は肩関節外転時に重要な役割を担うとされ、腱板断裂の多くが棘上筋腱の断裂を含むことが知られており、腱板筋群の臨床において棘上筋は最も重要な筋です。

本日は棘上筋腱の上腕骨への停止部について解剖学的に明らかにした論文を紹介させていただきます。


この研究では解剖実習体の肩甲帯部を103側用いられて棘上筋の停止部領域を肉眼的に観察されています。

結果を以下にまとめました。

①棘上筋は棘上窩ならびに肩甲棘の上面に起始し、大結節の内側に停止していた。

②棘上筋最前縁には強く長い腱性部が存在し起始する筋繊維の多くが合流していた。

③強い腱性部は大結節最前方部に停止しており、結節間溝の上を扇状に覆って小結節にも停止していた。

④その他の筋繊維は後方の薄い筋性部として大結節の内側部に停止していた。

⑤棘上筋の腱性部は直線的に停止せず、停止部付近で方向を前方へ転じていた。


今回の結果より、棘上筋の主な停止部が大結節の前方にあったため、棘上筋の外転作用は肩関節内旋位よりも外旋位でより強くなるのではないかと考察されていました。

適切な治療を行うためには解剖学的知識や触診技術が必要不可欠なので、勉強して臨床に活かしていきたいと思います。

投稿者:佐々木拓馬

2016年10月18日火曜日

【文献紹介】膝関節後外側支持機構の機能解剖

今回紹介させていただく文献は解剖実習用の屍膝を用いて解剖学的変異および膝窩筋腱の機能解剖について検討した文献です。


渡辺泰ら:膝関節後外側支持機構の機能解剖.整形外科バイオメカニクス.Vol13:180-182

対象は解剖自習用の屍膝115膝です。6ヶ所(膝窩筋腱付着部前端:A,後端:D,膝窩筋腱中央部前端:B,後端:E,膝窩筋筋腹遠位端の最下部:C,最上部:F)にマーカーを装着し、内外旋トルクを加えた上で膝関節を屈曲し、組織の観察を行っています。

計測の結果、膝窩筋腱前方線維(AB)は膝関節屈曲に伴い緊張し、外旋ストレスを加えることでより強調した。膝窩筋腱後方線維(DE)は膝関節屈曲に伴い弛緩し、内外旋ストレスを加えても不変でした。筋腹に関しては膝関節屈曲角度に関わらずほぼ一定の長さでした。
これらことから屈曲に伴い膝窩筋腱の前方線維は緊張し,後方線維は腓骨起始部の線
維束とともに弛緩することが確認され、また脛骨に外旋ストレスを加えることにより緊張が増すことから,膝窩筋は膝関節における単なる伸筋や屈筋ではなく,基本的には脛骨の内旋筋として作用し,外旋ストレスに対するrestraintとしても働くと筆者は考察しています。

膝関節伸展制限を引き起こす一要因として膝関節屈伸軸の後方に位置する組織が挙げられます。後方のどの組織が制限になっているのか、単純な伸展以外にどの運動方向が制限されているのか見分けていくには細かな解剖や正常な運動を知る必要があり、今回は後外側支持機構に着目しました。今回紹介させていただいた文献は膝窩筋に着目した文献でしたが、その他の組織にも着目して勉強を進めていきます。

投稿者:堀内奈緒美

2016年10月14日金曜日

【文献紹介】拘縮肩症例の肋骨の動態ついて

 こんばんは。本日は拘縮肩についての論文です。

 拘縮肩は臨床において数多く経験する疾患で、肩関節の関節可動域制限を主体とする疾患です。様々な要因から発症するため原因ははっきりしない事が多いとされています。そのため拘縮肩の治療においても、拘縮しないための予防としても、拘縮肩になりやすい特徴的な姿勢や動態の把握の理解は重要かと思います。
 
浜田ら:拘縮肩の病態と治療選択-肩甲骨・肋骨に着目して-.肩関節35(2) : 617-620 , 2011
 
    今回紹介する論文は、拘縮肩の病態と治療選択を肩甲骨と肋骨の運動に着目し報告されています。拘縮肩と診断された症例のうち、特発性凍結肩、腱板断裂、糖尿病性拘縮などに対象を分け、3DCTを用いて挙上動作の動態について検討されています。
 結果の中で、特発性凍結肩や腱板断裂の一部の症例、糖尿病性拘縮の症例において挙上動作に伴い肋骨が下制することを発見されています。
 健常人における肋骨の動態は、挙上に伴い挙上するという報告は散見します。拘縮肩の症例において挙上が制限されるだけでなく、下制する動態にも着目して臨床に臨みたいです。
 
 本論文で検討されていない点が、肋骨が下制した群の拘縮の程度です。想像通り重度の拘縮であるのか、軽度の拘縮でも原因があれば肋骨は下制するのかなどなど気になる点が多くあります。

 また、なぜ肋骨が下制するのかも再考していきたい内容です。
 
 肋骨の動態について本論文以降も情報がアップデートされているようですので、興味深い報告があれば報告しようと思います。


投稿者:中井亮佑

人気の投稿