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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年8月4日木曜日

RSAの再脱臼について

 人工関節置換術後の症例において、関節の構造が変わることや術式の影響によるリスクの管理は、術後の理学療法を行う上で重要であると周知されているかと思います。最近、リバース型人工肩関節置換術(Reverse shoulder arthroplasty : RSA)の症例を診させていただく機会があり、RSA術後のリスクについて調べました。その中の一つを紹介します。

T Bradley al : Subscapularis insufficiency and the risk of shoulder dislocation after reverse shoulder arthroplasty . JBJS 18 ; 892-896 . 2009  
 

 RSA後のリスクとして再脱臼が多く報告されていますが、本日紹介する論文は再脱臼の原因について調査されています。 
本文献の筆者は、肩甲下筋が修復の有無に着目しています。RSAを施行された症例のうち5%程度の症例が再脱臼し、その全症例において術中に肩甲下筋の修復が不可能であったとされています。さらに術前から脱臼を反復している症例や上腕骨近位端に偽関節があるなど、合併症を全症例が有していたとされています。
 このことから、RSAの理学療法を行う上で、術中にSSCの修復が可能であったか、合併症は存在するのか、を確認することは再脱臼のリスク管理の一つとなることがわかりました。

投稿者:中井亮佑

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