COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年8月28日日曜日

第110回京都支部定例会

昨日第110回京都支部定例会を行いました。

今回は為沢一弘先生による「股関節周囲の触診~外側の筋~」のレクチャーでした



1つの筋でも軸をまたぐ筋は運動方向を変えて強く収縮している線維を触知し、1つ1つ丁寧に触診していきました。
普段触れていると思っていても、丁寧に触れていくとまだまだ触れていないことに気づかされます。
私たちは朝の時間を利用して触診の練習を行っています。今回教えていただいた内容を朝の触診の時間に復習し、繰り返し練習し確実に触れるようにしたいと思います。


次回は10月22日に「股関節周囲の触診~内側の筋 編~」を予定しています。
受付開始 18:00  勉強会開始 18:30
ぜひご参加ください。

第25回整形外科リハビリテーション学会学術集会のご案内



第25回整形外科リハビリテーション学会学術集会のご案内

会期:平成28年9月18日(日)・19日(月・祝)

会場:名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)

参加費:会員3,000円、非会員5,000円
    学生会員無料、学生非会員2,000円

運営事務局
   整形外科リハビリテーション学会スポーツ支部
   URL http://sposibu.web.fc2.com

お問い合わせ
   メール 2016gakujutsu@gmail.com

第111回定例会案内「股関節の触診〜内側の筋」ご案内


第111回定例会ご案内

開催日:平成28年10月22日 土曜日
時間:受付18時〜 開始18時30分
会場:京都下鴨病院 2階 リハビリ室

レクチャー:「股関節の触診〜内側の筋」

症例検討:募集中

参加費:会員無料、会員外500円
    事前参加登録不要

LINE@にご登録いただくと、10回の定例会参加で来年のベーシックセミナーが割引となるポイントカードサービスが受けられます。

LINE@登録はこちらから

※ 検討症例を募集しています。


  • 症例の個人情報の取り扱いには十分注意してください。必ず症例本人もくは家族に承諾を得てください。
  • 可能であれば単純X線、CT、MRIなどの画像や動作の動画などを準備してください。
  • Power Pointで作成したスライドおよびレジュメ30枚程度を準備してください。
  • 15分程度のプレゼンテーションを行って頂きます。

[検討症例応募] ⬅️症例検討応募はここをクリック

2016年8月25日木曜日

【文献紹介】変形性肩鎖関節症の画像診断について

 本日紹介する文献は変形性肩鎖関節症の画像診断についてです。
 変形性肩鎖肩鎖関節症は、比較的まれな疾患であるため経験することが少ないかと思います。変形性肩鎖関節症は症候性と無症候性があることが報告されており、症候性で保存療法に抵抗する例が、手術療法の適応となるとされてます。今回、手術療法適応となった症例においてどのような画像所見を示すのかを調査された文献を紹介します。

 間中ら:変形性肩鎖関節症における画像所見.肩関節 34 (2) : 503-506 . 2010
 X線での関節裂隙の狭小化、骨硬化像、骨棘形成、MRIでの関節液の貯留、鎖骨および肩甲骨の骨髄浮腫、が画像所見上のスコアリング項目となっており、3点を境に重度と軽度を分けられています。関節変形に大きな関連がある項目として、関節裂隙の狭小化、関節液の貯留、鎖骨および肩甲骨の骨髄浮腫が見られると重度の変化であると結論づけられています。

 今後臨床において、本論文の6項目を変形性肩鎖関節症の画像を見る着眼点としていきたいと思います。

投稿者:中井亮佑

2016年8月16日火曜日

【文献紹介】膝屈筋腱によるACL再建後の屈筋筋力の回復について

本日は膝屈筋腱によるACL再建後の屈筋筋力の回復について検討された文献を紹介させていただきたいと思います。





佐藤ら:膝屈筋腱による前十字靭帯再建術後の屈曲筋力の回復 東日本整災会誌・20巻:603-6062008


膝屈筋腱を用いた前十字靭帯(以下ACL) 再建術後の膝屈筋力の回復は良好であることが報告される一方で腱採取後の影響として深屈曲位での屈曲筋力の低下が報告されています。筋力評価は等速性運動での計測が多く、Hand Held Dynamometer(以下HHD)による筋力評価の報告はないことから今回検討されるに至っています。


対象は半腱様筋腱・薄筋腱を用いて解剖学的2重束再建術を施行した23例で、筋力評価時期は術後260.0±22.3日です。HHDを用いて腹臥位での膝屈曲30度、90度肢位における等尺性収縮による筋力測定を行われています。


結果は30度屈曲位、90度屈曲位の両方で健側よりも患側で低値を示すものとなり、患・健側比は90度屈曲位の方が30度屈曲位よりも低値を示したと報告されています。


この文献では膝関節深屈曲筋力の回復が不十分であることが言われていますが、日常生活では影響が少ないと考えられています。しかし、一部のスポーツや職業によっては必要な筋力となることも考えられます。また、今回はCybexなど特殊な機器を用いていないことから臨床でも評価しやすいのではないかと思います。
 今回はACL再建術後の膝関節屈曲筋力についてでしたが、疾患や術式によってどのような回復過程を辿るかを把握することも大切であると改めて感じました。



投稿者:天鷲翔太

2016年8月7日日曜日

整形外科リハビリテーション学会宿泊実技講習会に参加しました。

8月6,7日の2日間、第17回整形外科リハビリテーション学会宿泊実技講習会が行われ、下鴨病院からは講師として小野志操先生、受講者として2名参加してきました。

1日目はGradeB対象講義と一般会員対象講義と2つに分かれて講義が行なわれました。私たちは一般会員対象の講義の方に参加させていただきました。
一般会員対象の講義内容は2日目に行われる評価と治療の内容につながるような肘・前腕、膝関節、股関節の触診の講義でした。グループごとに講師の先生方がついてくださり、基本的な指の置き方から丁寧に教えていただきました。丁寧にトレースしていくことで「多分これであろう」ではなく、確実に組織を触れることができました。触診をしていて不安なのは自分が触れている組織が確実にその組織であるかどうかが分からないことでした。1日目の講義を通して、どの肢位にもっていけば触れたい組織以外が邪魔にならないか、また触れたい組織が伸張したり収縮したりするのか、運動学を理解した上での操作が大切なこと、触れたい部分の解剖がしっかりイメージできているかどうかが非常に大切であると感じました。
夜は大宴会があり、普段お話できない先生方ともお話することができ、とても貴重な時間を過ごすことができました。

2日目は「股関節前方部痛に対する評価と治療」「前腕回旋制限に対する評価と治療」「膝関節OA(膝後方部痛)に対する評価と治療」について講義が行われました。
細かい解剖から、そもそもの考え方などを学ぶことができました。2日目の実技は治療メインでしたが、1日目に触れた組織が触れないとまず評価ができず、適切にアプローチできないことを痛感しました。今回の宿泊研修を通して正確に組織を触ることができなければ適切にアプローチできないこと改めて感じ、もっと練習していかなければいけないと感じました。2日間とても濃い時間を過ごすことができ、学んだことを明日からの臨床に生かしていきたいと思います。


股関節前方部痛に対する評価と治療~運動療法の対象となる組織を見極める~
京都下鴨病院 小野志操先生





投稿者:堀内奈緒美














2016年8月4日木曜日

RSAの再脱臼について

 人工関節置換術後の症例において、関節の構造が変わることや術式の影響によるリスクの管理は、術後の理学療法を行う上で重要であると周知されているかと思います。最近、リバース型人工肩関節置換術(Reverse shoulder arthroplasty : RSA)の症例を診させていただく機会があり、RSA術後のリスクについて調べました。その中の一つを紹介します。

T Bradley al : Subscapularis insufficiency and the risk of shoulder dislocation after reverse shoulder arthroplasty . JBJS 18 ; 892-896 . 2009  
 

 RSA後のリスクとして再脱臼が多く報告されていますが、本日紹介する論文は再脱臼の原因について調査されています。 
本文献の筆者は、肩甲下筋が修復の有無に着目しています。RSAを施行された症例のうち5%程度の症例が再脱臼し、その全症例において術中に肩甲下筋の修復が不可能であったとされています。さらに術前から脱臼を反復している症例や上腕骨近位端に偽関節があるなど、合併症を全症例が有していたとされています。
 このことから、RSAの理学療法を行う上で、術中にSSCの修復が可能であったか、合併症は存在するのか、を確認することは再脱臼のリスク管理の一つとなることがわかりました。

投稿者:中井亮佑

【文献紹介】肩峰下滑液包、烏口肩峰靭帯における神経終末の観察


本日は、肩峰下滑液包と烏口肩峰靭帯の神経終末の形態および分布について観察された論文を紹介させていただきます。



対象は肩腱板修復術を施行した腱板断裂15(男性15名、女性4名、年齢5172歳、平均58.5)です。対象からは摘出したのは腱板断端、その直上部の肩峰下滑液包、および烏口肩峰靭帯(肩峰付着部より全長の3分の1の領域)。断裂の種類は不全断裂4例、小断裂2例、中等度断裂5例、大断裂4例でした。方法は摘出した切片の面積を計測後、単位面積当たりの神経終末の数量を平均値で求められています。

結果ですが、腱板、肩峰下滑液包、烏口肩峰靭帯のいずれにおいても機械的神経終末や自由神経終末は存在していると示されていました。また、部位による自由神経終末の総数量の比較では烏口肩峰靭帯<腱板の関節腔側<肩峰下滑液包<腱板の肩峰下滑液包側の順で多く、自由神経終末は腱板の肩峰下滑液包側が最も多いと報告されていました。

病態や疼痛の発生機序を理解することは、疼痛に対して治療を行う上でとても大切だと思います。今回の報告から、腱板の肩峰下滑液包側や肩峰下滑液包には痛みの受容体である自由神経終末が多く、腱板断裂や肩インピンジメントによる疼痛に大きく関与していることがわかりました。肩関節痛についてもっと勉強して明日からの臨床に活かしていきたいと思います。

投稿者:佐々木拓馬

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