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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年7月7日木曜日

肩関節下垂位内外旋における肩甲上腕リズム

今回、紹介する文献は肩関節下垂位内外旋における肩甲上腕リズムについてです。



関ら:肩関節下垂位内外旋における肩甲上腕リズム 関節外科Vol.28 No.11

 肩甲上腕リズム(以下SHR)はInmanらにより提唱され、肩外転時に肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の運動が2:1の比であることは広く受け入れられています。そこで筆者らは日常生活での基本肢位である下垂位での内外旋においてもSHRが存在するのかに着目して解析しています。

 対象は肩関節に関して愁訴や既往のない平均年齢29歳(23~34歳)の男性10名としており、下垂位内・外旋0°を開始肢位とし、そこから最終可動域までの内外旋を計測しています。それぞれ2回ずつ行い、内外旋とも0~60°までで、磁気センサー式三次元空間計測装置にて解析しています。

 結果ですが、0~60°までの内旋のSHR6.6:1であり、外旋は2.4:1であったと報告しています。その他にも回旋角度10°ごとにSHRを検討し、内旋では大きく変化しなかったのに対して、外旋では角度の増加につれてSHRが低下、つまり動き出しで肩甲上腕関節の動きが大きく徐々に肩甲胸郭関節の動きが大きくなったとしています。この違いに関しては上腕骨に付着する筋の走行に起因するのではないかと考察されています。

 日常生活における下垂位での回旋はとても重要な要素であり、SHRがどのようにして乱れていくのかと着目することは臨床において病態の解釈につながる一つの視点として活用できるのではないかと感じました。


投稿者:服部隼人

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