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2016年6月16日木曜日

【文献紹介】肩甲上腕関節回旋時の腱板疎部の形状について

 本日は、MRIから再構築した三次元肩関節骨形状モデルを用いて、肩関節90度外転位での肩関節外旋、内旋、中間位における腱板疎部の形状と面積変化について生体で検討された論文を紹介させていただきます。



田中、林 他:コンピュータモデルを用いた肩甲上腕関節の回旋における腱板疎部の形状  
       と面積変化シミュレーション 臨床バイオメカニクス 2015. 36p23-29

対象は平均36.7歳の健常男性3名。撮影肢位は背臥位とし、肩関節90度外転位における肩関節90度外旋位、90度内旋位、そして中間位をそれぞれ静的に計測されています。
また、腱板疎部の形状は①結節間溝の前上方部、②結節間溝の後上方部、③烏口突起基部、そして④関節窩上結節を直線で結ぶことで再現されています。

 結果ですが、内旋90度と中間位では不等辺四角形を、外旋90度では烏口突起周辺部に向かって細長くなる三角形の外観を示し、腱板疎部の面積と形状は外旋位で縮小、内旋位で拡大したと報告されていました。また、腱板疎部の烏口突起周辺部の形状変化が大きかったことも示されていました。

 腱板疎部は肢位によって形状や面積が変化するだけでなく、特に烏口突起周辺の形状が大きく変化しやすいことがわかりました。今回の結果から、例えば外旋や水平外転の制限因子が腱板疎部である場合、烏口突起周辺の柔軟性にも着目して評価や治療を行っていく必要があると思いました。

 
投稿者:佐々木拓馬

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