COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年3月24日木曜日

肩甲下筋腱損傷について


本日は、肩甲下筋腱損傷について解剖学的、臨床的に研究された文献を紹介します。

 Arai R,et al:Subscapularis Tendon Tear:An Anatomical and Clinical Investigation.Arthroscopy 24:997-1004,2008

本文献の研究目的は、肩甲下筋腱の最頭側部がどのようにして上腕二頭筋長頭腱を支持しているかを解剖学的に調査すること、また肩甲下筋腱損傷と上腕二頭筋長頭腱の不安定性との臨床的な関連について調査することです。
肩甲下筋腱の最頭側部は、結節間溝の内側壁から上腕二頭筋腱の近位に向かって走行し上腕骨頭窩まで付着しているとのことです。上腕二頭筋腱の主要なスタビライザーとして知られるSGHLCHLによるプーリー構造に対して、肩甲下筋腱の最頭側部はプーリーの内側を接触しながら走行することで上腕二頭筋腱の安定性に寄与しているとのことです。
肩甲下筋腱の上腕二頭筋腱を支持する解剖学的な特徴から、臨床において上腕二頭筋腱に前方脱臼や亜脱臼のような不安定性を認める症例は、肩甲下筋腱の損傷も伴うことが非常に多いとのことです。

肩関節痛を有する患者をみる際は、このことを踏まえて画像所見や理学所見をみていこうと思いました。 

投稿者:竹下真広

人気の投稿