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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年1月8日金曜日

文献紹介:上腕二頭筋長頭腱障害は腱切除と腱固定どちらが良いのか?

本日は上腕二頭筋の外科的処置に関する文献を紹介します。


Jamie L et al: Biceps Tenotomy Versus Tenodesis in Active Patients Younger Than 55 Years . Orthop Jour sports med3(2) : 1-6 , 2015 

 本日は、55歳以下の活発な患者の上腕二頭筋長頭腱障害に対し腱切除と腱固定の術後成績を比較した文献を紹介します。上腕二頭筋長頭腱は、肩関節の疼痛の原因となることが多く、一般的には関節鏡手術が行われます。上腕二頭筋長頭腱の病理学的特徴や外科的処置の方法に関して、著者によって様々な意見があり統一した見解が得られていません。
 本文献は、上腕二頭筋長頭腱障害の正診率を検討した後、筋力測定及び疼痛等患者の主観的評価を調査し、腱切除を行った群と腱固定を行った群に分け比較されています。

 腱固定群の方が疼痛は低値を示したものの、機能面においては差がなく、どちらの処置が有用であるか明確な答えは得られなかったとされています。筋力に差が得られなかったことから、55歳以下の活発な上腕二頭筋長頭腱障害を有する患者に対し、腱切除か腱固定かどちらを選択する基準となるのか、興味を持つ論文でした。今後も検討を重ねたいと思います。

投稿者:中井亮佑



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