COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年12月18日日曜日

第113回京都支部定例会

昨日、第113回京都支部定例会が行われました。
今回は京都下鴨病院の中井亮佑先生による「股関節周囲の触診~後面の筋編~」のレクチャーでした。




股関節外旋筋を機能的に分けて起始から停止まで丁寧に触診していきました。
今回のレクチャーの中で個人的にとても興味深かったのは、梨状筋の触診です。
勉強会では梨状筋の上縁、下縁の高さの指標についてのお話があり、そのあとの実技では梨状筋の走行をイメージしやすくなり、とても触りやすかったです。指標についてのお話もおもしろかったですが、その参考文献が形成外科の論文だったことに驚きました。

今回教えていただいた内容はまた朝の触診の時間を利用して復習していきたいと思います。



次回の定例会は1月28日(土)です。
「大腿骨頸部骨折の運動療法」について京都下鴨病院の團野翼先生にレクチャーしていただきます。
ぜひご参加ください。


投稿者:堀内奈緒美

2016年12月14日水曜日

第114回定例会「大腿骨頚部骨折の運動療法」ご案内


第114回定例会ご案内

開催日:平成29年1月22日 土曜日時間:受付18時〜 開始18時30分会場:京都下鴨病院 2階 リハビリ室
レクチャー:「 大腿骨頚部骨折に対する運動療法の考え方」
症例検討:募集中参加費:会員無料、会員外500円    事前参加登録不要


※LINE@でも情報発信しています!LINE@にご登録いただくと、10回の定例会参加で来年のベーシックセミナーが割引となるポイントカードサービスが受けられます。
LINE@登録はこちらから

※ 定例会での検討症例を募集しています!

  • 症例の個人情報の取り扱いには十分注意してください。
  • 必ず症例ご本人もくはご家族に承諾を得てください。
  • 可能であれば単純X線、CT、MRIなどの画像や動作の動画などを準備してください。
  • Power Pointで作成したスライドおよびレジュメ30枚程度を準備してください。
  • 15分程度のプレゼンテーションを行って頂きます。
検討症例応募はこちらから


2016年12月13日火曜日

整形外科リハビリテーション学会 シンポジウム

12月11日に整形外科リハビリテーション学会のシンポジウムが行われました。
当院からは小野志操先生がシンポジストとして「リバース型人工肩関節置換術 術後運動療法その評価と治療の実際」について発表されました。



午前中はBasicで前腕・手関節の機能評価~私の工夫~について、いまむら整形外科の山本紘之先生、桑名西医療センターの小牧亮介先生、大久保病院の宿南高則先生、一社ひがし治療院の神山卓也先生がご講演してくださいました。
午後からはAdvanceで肩関節術後アプローチについて京都下鴨病院の小野志操先生、昭島整形外科の八木茂典先生、名古屋スポーツクリニックの福吉正樹先生、大久保病院の 山本昌樹先生がご講演してくださいました。
先生方によって治療の進め方が異なり、とても興味深かったです。

総会では今年9月に行われました整形外科リハビリテーション学会学術集会の学術奨励賞の授与式が行われ、当院の服部隼人先生が発表された「腸脛靭帯炎と膝窩部痛を呈したマラソンランナーの理学療法の経験」が青木賞に選ばれました。
服部先生の今後のご活躍を期待し、自分自身も学術奨励賞に選出していただけるような発表ができるよう頑張りたいと思います。









2016年12月9日金曜日

【文献紹介】股関節深層外旋深層6筋の付着位置について

 本日紹介する文献は、ご遺体を用いて股関節の深層外旋6筋の付着部位を調査されている論文です。
 Yoshiaki Ito et al. Anatomic Mapping of Short External Rotators Shows the Limit of Their Preservation During Total Hip Arthroplasty. Cain Orthop Relat Res 470(6): 1690-1695. 2012 

 股関節の深層外旋6筋は梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、外閉鎖筋、大腿方形筋からなる筋群であり、THAの手術方法などで着目されます。また、触診では臀部の脂肪体、大殿筋が表層にあり正確に触知することが難しい部位でもあります。そのため、形状がどのようになっているか、という点や触り分けるためのランドマークとなる部位はあるのか、などを把握することは正確に組織を触知する手助けになります。
 本論文は外旋深層6筋が大転子のどの面にどのような形態で付着するか、を調査されています。論文には、大転子に座標軸が当てはめてあり、付着部の定量化がされています。
 結果の一部ですが、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋は共同腱を形成し大腿骨の内側面に付着していることが報告されています。また、その後方に梨状筋の付着部があり、外閉鎖筋はさらに後下方に単独で付着していたとされています。
 このことから、深層外旋6筋は上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋の共同腱、梨状筋、外閉鎖筋、大腿方形筋の4腱に分かれて大転子から転子間稜に付着することがわかりました。しかし、大腿方形筋を除く3腱の付着部は隣接しており、大転子の面をランドマークにこれら3腱を触り分けることは困難かと思います。このため、起始部である仙骨・坐骨側から触診を行うことが妥当だと思いました。

投稿者:中井亮佑

2016年12月4日日曜日

日本運動器理学療法学術集会への学会参加

第3回日本運動器理学療法学術集会に参加しました。


123日(土)、4日(日)に金沢の本多の森ホールにて開催されました、第3回日本運動器理学療法学術集会に参加しました。
京都下鴨病院からは中井亮佑が症例報告しました。
本学会のテーマでもあります、『運動器理学療法の未来と進歩』について特別講演やシンポジウムを通して考える機会となりました。


投稿者:中井亮佑

2016年11月27日日曜日

第112回京都支部定例会

昨日第112回京都支部定例会を行いました。


今回は為沢一弘先生による「FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)に対する運動療法の考え方」と天鷲翔太による「PCL再建術後、膝窩部に疼痛が生じている一症例」についての症例検討をさせていただきました。









為沢先生による「FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)に対する運動療法の考え方」では股関節、股関節唇、股関節周囲の軟部組織の解剖学的特徴からどのようなメカニカルストレスが加わるのか、病態の解釈からどのように評価、治療へ展開していくのかについてお話していただきました。



症例検討では2グループに分かれ、ディスカッションをしていただき、各グループから意見をいただきました。足りない評価、評価からどのように疼痛を解釈していくのか、どのようなメカニカルストレスがかかるかを動作から評価していくこと等の考え方、多くの意見をいただきました。
今回症例を提示させていただき、自分に足りていないことばかりで、特に評価についてはまだまだ勉強が足りないことを痛感しました。月曜からの臨床でしっかり活かせるようにします。




次回の定例会は1217日(土) 
中井亮佑先生による「股関節の触診-後面の筋-」についてレクチャーしていただきます。
ぜひご参加ください。




投稿者:天鷲翔太

2016年11月21日月曜日

京都府理学療法士協会 第3回北部研修部研修会に参加しました

昨日、第3回北部研修部研修会に参加しました。
投球動作について信原病院・バイオメカニクス研究所の田中洋先生がご講演してくださいました。


信原病院バイオメカニクス研究所 田中洋先生 「投球動作のバイオメカニクスとその臨床応用」

モーションキャプチャーを用いた3Dでの動作解析、動作の数値化など高度な技術を用いて投球障害についてご講演してくださいました。

野球経験のない私には少し難しく感じましたが、投球動作のどのフェイズでどのような運動が生じるのかを角度などで数値で示してくださったのでイメージしやすく、興味深かったです。
勉強会に参加して、理想的な投球動作、ケガのしにくい投球動作について知らなければならないなと感じました。

また勉強会に参加したら報告します。

投稿者:堀内奈緒美


2016年11月17日木曜日

【文献紹介】TCFFの損傷形態と疼痛の関連について

 三角線維軟骨(以下、TFCC)損傷は必ず疼痛を生じる障害ではないとされています。これは、腱板損傷や半月板損傷にも言えることですが、損傷した組織にメカニカルストレスが加わることにより疼痛が惹起されると考えられます。同じ衝撃でも損傷の形態によって損傷部位に加わるメカニカルストレスが変化するため、疼痛の有無に関わるかと考えました。
 そこで今回は、TFCCの損傷形態と疼痛の関連性について検討された論文を紹介します。対象を骨疾患を認めないTFCC損傷症例を疼痛群と非疼痛群に分けて、損傷形態などを比較されています。

 
※文献詳細は図に提示 

 疼痛群に存在して非疼痛群に存在しなかった損傷形態として、TFCCの周辺部損傷が上がっています。周辺部の損傷はTFCC損傷における尺側部痛を惹起しやすいと考えられます。一方、実施部の損傷においては両群とも差がありませんでした。このことから、実質部の損傷による尺側部痛においてはTFCCのみならず他の組織由来の疼痛や特徴的な動態があるのではないかと考えました。
 TFCC実質部の損傷は何らかのメカニカルストレスを軽減させることにより疼痛が改善する可能性を示唆している論文でした。今後の参考にしたいです。

投稿者:中井亮佑


2016年11月13日日曜日

【文献紹介】本邦におけるリバース型人工肩関節全置換術の上腕骨コンポーネントと上腕骨サイズの不適合性

今回紹介させていただく文献は本邦におけるRSAの上腕骨コンポーネントサイズの不適合性について検討した文献です

南義人ら:本邦におけリバース型人工肩関節全置換術の上腕骨のコンポーネントと上腕骨サイズの不適合性.肩関節.第40巻2号:2016

検討項目は身長と上腕骨頭径です。対象は42例43肩(男性:14例、女性:28例)、全例CTAによりRSAが施行されています。検討項目は身長と上腕骨頭径の相関です。上腕骨頭径はCTを用いて前額面上での上腕骨解剖頚の最大長(AP長)、水平面上での上腕骨解剖頚の最大長(ML長)を計測しています。

結果は身長が140cm以下の症例は上腕骨頭径が36mm以下となると報告しており、上腕骨頭径と身長には相関があり、低身長の症例は上腕骨頭径が小さい傾向にあったと報告しています。
今回の検討は上腕骨頭径の計測が2次元であること、実際の骨切り面と一致していないこと、上腕骨頭の変形が考慮されていないことが限界として述べられており、今回の検討方法で上腕骨頭径が36mm以下であっても必ずしもコンポーネントの設置が困難になるわけではないと述べています。しかし身長が140cm以下の症例においてはコンポーネントを安全に設置できるよう考慮が必要であると述べています。


本邦ではRSAに対する報告が少ない中で、コンポーネントの不適合性について検討してる文献を見つけたので今回紹介させていただきました。
しかし今回の検討でも必ずしも低身長であるとコンポーネントのミスマッチが生じる訳ではないと報告おり、どのような人がミスマッチしやすいのか検討している文献を見つけたらまた紹介させていただきます。

2016年11月11日金曜日

【文献紹介】半月板損傷に対して手術療法が良いか保存療法が良いか

 半月板損傷に関して、切除が良いのか縫合が良いのか、また手術療法が良いのか保存療法が良いのか、など様々な著者による報告が見受けられます。

 
Nina Jullum et al. Exercise therapy versus arthroscopic partial meniscectomy for degenerative meniscal tear in middle aged patients . randomised controlled trial with two year follow-up. BMJ 2016;354-374 

 本日紹介する論文はレントゲンにて決定的な関節変形を認めていない半月板損傷症例140例を対象としています。被検者の平均年齢は約50歳です。
 運動療法群と手術療法群に分けて、受診2年後の膝の機能と受診3ヶ月後の大腿部の筋力としています。両群を比較したところ機能に差はなく筋力は運動療法群の方が増加していたことから、著者らは退行変性のない半月板損傷の症例に対して運動療法を推奨するべきと結論付けています。
 臨床において半月板損傷の症例の主訴は、歩行時や階段昇降時などの疼痛が多いかと思います。他の疾患でも言えることですが、少なからず半月板損傷では疼痛がどの組織由来なのかをはっきりとさせ適切な理学療法を行うことで、保存療法にて半月板損傷の症状は改善することがわかりました。今後の臨床に生かしたいと思います。


 執筆者:中井亮佑

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