COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年8月12日水曜日

肩甲下筋腱最頭側部のMRI評価

今回は「肩甲下筋腱最頭側部のMRI評価」について記載されている文献を紹介します。




肩甲下筋最頭側部は小結節の上面に付着し上腕二頭筋長頭腱の安定性に関与している組織であり、肩関節前方の重要な支持組織として知られています。
肩甲下筋断裂ではこの部位を修復する必要があるとの報告も多数されています。
そのため、MRIでの肩甲下筋腱の状態を評価することは重要なことだと述べられています。
この文献では、MRI画像を用いて肩甲下筋腱最頭側部の所見をgrade分類し、術中の関節鏡所見と照合して有用性を検討されています。
方法は斜位矢状断と水平断にて最頭側部が描出される位置を特定し同部のMRI評価を行っています。結果は、術前MRIにおける最頭側部のT2強調画像の所見と、術中関節鏡所見とを照合し非常によく対応していたと報告されています。
SSCの最頭側部は舌部を構成し上述したようにLHBの前下方を支持することで安定化させています。また、前方の安定性に関与しているためSSCの最頭側部の状態を把握しておくことは理学療法を行う上でも重要なことだと感じているので損傷部位を見逃さないように画像所見も丁寧に診れるようにしていきたいと思います。
また、この文献では肩甲下筋腱最頭側部の正確な位置を同定するため、まず先行研究として解剖学的構造を調べ肩甲下筋最頭側部の付着部、舌部、小結節およびLHBの位置関係を詳細に観察したうえでMRI画像を撮っており、上記の組織がどう描出されるかを検討されています。
そのため、術中所見とのミスマッチが少なく画像所見と術中所見が対応していたのだと思い、解剖学的構造をしっかりと把握した上で画像所見を診ることの重要性を改めて感じました。
中途半端な解剖学のイメージではなく正しい解剖のイメージを身に付けれるように日々精進したいと思います。

投稿者:団野翼


人気の投稿