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2015年8月15日土曜日

肩挙上時の上腕の回旋について

こんばんは。
今回は肩関節の挙上時における上腕の回旋についての文献を紹介させていただきます。

乾浩明:挙上動作における上腕回旋リズム-健常者と腱板断裂例の違い.肩関節,2014;Vol.38,No 3:78-790 



肩関節自動挙上時における上腕の回旋に関しては、様々な報告がなされており、一般的に挙上初期には内旋し、挙上するにつれて外旋していくと言われていることが多いです。

この文献では、肩甲骨と上腕骨にモーションキャプチャを使用し、肩関節の運動時の上腕の回旋様式を健常者の左右の肩、腱板断裂肩の罹患側と非罹患側とで比較し、検討されています。

結果として、健常者では初期は内旋し、挙上するにつれて外旋していくことは共通していたが、最大挙上手前で再び内旋する群と、しない群の2つのパターンが存在していました。
また、腱板断裂の罹患側では、20%に挙上が途中で終了、もしくは回旋がみられないパターンを呈し、80%では健常者と同様のパターンを呈したものの、内旋の可動域が健側や非罹患側と比較して半分程度になっていたとされています。

このことから、肩関節を自動で挙上するにあたり、健常肩であれば支点形成を行いながら挙上していく過程が、腱板断裂肩では上手く行えずに、支点形成を求められなくなることが考えられ、挙上に際してこの回旋を考慮しながら、支点形成の再獲得を図っていくことが重要なのではないかと思いました。



投稿者:為沢 一弘

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