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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年8月28日金曜日

文献紹介:投球動作が肩関節の可動域と筋力に及ぼす影響について

こんばんは。

 本日は、スポーツ障害のひとつとして挙げられる、投球障害についての論文です。野球の投球練習の方法として、シャドーピッチングという練習方法を取り入れられます。シャドーピッチングの特徴としては、実際にボールを投げないため投球フォームに注意が向きやすい事、投球できない環境でも投球フォームの確認ができる事などがあげられるかと思われます。このことから、臨床においてシャドーピッチングにより投球フォームを確認することが多いと思います。しかし、シャドーピッチングと実際の投球は身体にどのような違いを及ぼすかによっては、練習方法を再考する必要があるかと考えます。


岡本 翔吾ら:シャドーピッチングの連続動作が肩関節回旋可動域と筋力に及ぼす影響.
理学療法科学 30 (2):161-165,2015


 本論文では、連続して行ったシャドーピッチングと実際の投球を、肩関節内外旋可動域、内外旋筋力、主観的疲労度に着目しそれぞれを比較して報告されています。
 本論文の内容より、実際の投球に比べシャドーピッチングでは、動作時の負荷量が小さく、肩関節への回旋ストレスは小さくなることが考えられました。このため、投球フォームチェックの際に適している方法であることが想定でき、投球障害の再発リスクを軽減させられることが考えられます。
 よい投球フォームの指導方法は指導者によって様々であり、統一の見解を求めることは難しいですが、投球において発生するストレスの把握は動作分析により可能であると思われます。そのため、投球障害を抱える患者さんや選手に対し、再発を防止するためにもより正確な投球フォームの分析が必要だと考えます。反復して投球フォームを確認するには、より障害リスクの少ない方法で動作分析を行い、適切に投球動作指導を行うことが必要だと感じました。

投稿者:京都下鴨病院 中井亮佑


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