COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年6月9日火曜日

肩峰下インピンジメントについて

今回は肩峰下インピンジメントについて記載されている文献を紹介します。 






 一般的には肩峰下インピンジメントは烏口肩峰アーチと上腕骨大結節や瞼板が衝突することにより生じ、肩関節痛や腱板断裂の原因になると言われています。 しかし肩峰アーチの構成夭素である烏口肩峰靱帯は肩関節挙上時に生じる骨頭の上方化を抑制していて、痛みのない状態であっても挙上時に骨頭や腱板と接触しているとの報告も見受けられます。また、腱板のどの部位が、どの運動で肩峰や肩鎖関節と接触しているかに関しては一定の見解が出ておらず種々な報告がされています。 今回紹介させていただく文献では、kinematic open MRIを用いて肩甲骨面における肩関節挙上運動を撮影し、肩峰下における腱板と上腕骨大結節の位置関係を調査されています。 結果は、腱板と肩峰や肩鎖関節が接触しても疼痛が出現しない対象者が存在していることや肩甲骨面での挙上では肩関節内外旋の肢位の変化により肩峰に接触する軟部組織が変化すると述べられています。 肩関節の肢位を変化させれば肩峰に接触する組織が変化するのは当たり前なのかも知れませんがそれを形にすることやインピンジメントが生じていても疼痛が生じる場合と、生じない場合で他の因子により疼痛が生じている可能性があることがこの文献からわかります。 疼痛が出現する場合、インピンジメントにより出現しているということをよく耳にしますがそれだけでなくいろいろな要素を考えた上で疼痛の理解をしていくことが重要だと改めて感じました。


投稿者:団野翼

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