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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年1月25日日曜日

小殿筋の解剖について

今回は、小殿筋の解剖について述べられた文献を紹介させていただきます。


Martin Beck, et al.The anatomy and function of the gluteus minims muscle.The Journal of Bone and Joint Surgery.vol.82-B, NO. 3, April 2000:358-363



この文献では、小殿筋の走行や付着部の解剖、作用について述べられています。


小殿筋は腸骨の外側面で前殿筋線の前方から起始して大転子の前方にやや回り込むようにして付着します。その名前のとおり、大殿筋、中殿筋に比べると小さな筋ですが、小殿筋のなかでも後方の線維と前方の線維では伸張される肢位が異なるのではないかとのことで、その線維ごとで伸張度合いを調べられています。


結論から話すと、前方の線維は股関節屈曲位での外旋>内転>伸展位での外旋の順で伸張されるのに対し、後方の線維は伸展位での内旋>屈曲位での外旋>内転>屈曲の順で伸張されるとのことです。
また、前方から後方までの線維が存在することで、その合力はちょうど大腿骨頭を臼蓋に押さえつける方向に力が働くとされています。このことからも、小殿筋は股関節の支持性を担う重要なインナーマッスルのひとつであることがわかります。


このことを踏まえ、小殿筋の前方もしくは後方の線維が上記の肢位における股関節の可動域制限に関与する可能性とインスタビリテリーの改善に重要であるということを頭に入れて明日からの臨床でも患者様を診ていければと思います。




投稿者:為沢 一弘



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