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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2014年11月26日水曜日

アキレス腱縫合術後の早期自動運動に関する生体力学的ならびに組織学的研究

本日は、アキレス腱縫合術後の足関節自動運動開始時期について報告された文献を紹介します。
京府医大誌 107(11),1223~1240,1998.

アキレス腱縫合術後の理学療法において重要なのは、安定した修復腱の獲得と、足関節背屈可動域および底屈筋力の獲得であると思われます。
この文献では家兎を対象に縫合術後(Kessler変法)の自動運動を、超早期群(術直後から外固定なし)と早期群(術後外固定3週間)、固定群(術後外固定6週間)の3群に分け、それぞれの修復腱の経過を生体力学的、組織学的に比較した内容が記載されています。

結果は、超早期・早期群の修復腱が、固定群よりも生体力学的、組織学的に優位に成熟していたとのことでした。さらに早期群の修復腱は、超早期群よりも生体力学的に成熟していたため、術直後からの自動運動が必ずしも優れているとは言えないと述べています。

私が今担当しているアキレス腱縫合術後症例は、津下法にて縫合され3週間のギプス固定および免荷後から、足関節背屈制限短下肢装具での荷重を開始しています。本文献とは手術方法が違うため比較できるかは疑問ですが、本文献でいう早期群に近い経過をたどっていると思われます。
今後も修復腱の延長に注意して、安定した修復腱の獲得と、足関節背屈可動域および底屈筋力の獲得を目指して理学療法を実施していこうと思います。


投稿者:竹下真広

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