TKA術後の深屈曲に関してはいろいろな意見があると思います。
特に問題視されているのが屈曲角度が増えるとインプラントの破損やポリエチレンの摩耗などが生じてしまうのではないか?というような問題や動揺性が増大してしまうのではないか?というような意見ではないでしょうか。
また、本来TKA後に深屈曲までの可動域を求める必要があるのかというような意見もあります。
自分自身は不安定性さえ出ないように無理な可動域訓練をしなければ可動域は求めても良いのではないかと考えています。
しかし、TKA後の深屈曲まで可動域を獲得することは非常に難しく自分の技術や知識では難しいな・・・と感じています。
まだまだTKA後の可動域について勉強中ではありますが、深屈曲について書かれている文献を一つ紹介されていただきます。
今回紹介する文献は、『深屈曲を達成した人工膝関節置換症例の成績と合併症』についてです。
この文献ではTKA後に深屈曲を得た患者さんはほとんど疼痛もなく経過良好であり患者満足度も非常に高かったと述べられています。
しかし、残念ながら中には動揺性やインプラントの破損が生じてしまった症例も存在するようです。
これらの症例の合併症や問題点を調査した結果が記載されている文献になります。
調査の方法としてはレントゲンで伸展位での動揺性と屈曲gapなどを検査していますが、この中で自分が気になった点を述べさせていただきたいと思います。
この文献では屈曲gapを調査した結果、内側に比べて外側が緩くなっていると記載されています。
そのため、手術の際や深屈曲を獲得してから外側が緩くなり過ぎないように経過観察をする必要があると述べられています。
これを読んだ時、これは可動域を考える上で重要な要素になるのではないかと思いました。
不安定性が出てしまうことは問題があると思いますが深屈曲が出来る症例は膝外側支持組織の柔軟性に富んでいる?のではないかとも解釈できます。
そのため、腸脛靭帯などの外側支持組織の柔軟性を維持・向上することは深屈曲を獲得する上で重要な要素の一つになるのではないかと考えています。
これは自分の解釈であり調査された症例数などもあまり多くは無かったためまだまだ本当にそれが正しいのかどうかはわかりませんが、文献をいろいろな角度から読んでみるのも良いのではないかなと思いこの文献を紹介させていただきました。
これからも多くの文献を読み少しづつ疑問を解決していきたいと思っています。
投稿者:團野翼
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2014年9月15日月曜日
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