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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2014年9月12日金曜日

肘関節伸展時ECRLの動態について



本日は文献紹介をさせていただきます。
永井教生先生が書かれた「上腕骨小頭前面軟部組織のエコー動態からみた肘関節伸展制限因子の一考察」です。
(日本整形外科超音波研究会会誌 Vol.22 No.1 2010)


上腕骨離断性骨軟骨炎(以下,OCD)患者において、肘伸展伸展可動域制限を呈する者が多いと報告されており、その要因として骨性要素以外に軟部組織にもあると考えられています。軟部組織の制限因子としては一般的に上腕筋や前方関節包の伸張性低下が言われていますが、上腕骨小頭には上腕筋と共に長橈側手根伸筋(以下,ECRL)が存在しており、上腕骨小頭前面においては、上腕筋と同様に関節包と結合組織を介したユニットを形成しているため、肘関節最終伸展を制限しうる因子と考えOCD患者を対象にその要因について検討された文献です。

この文献ではエコーを用い肘関節伸展時のECRLの動態を研究されていました。肘関節伸展時ECRLが上腕骨小頭を乗り越えるゆとりが必要であると考察されており、関節可動域制限の因子として考えられると記されていました。

私自身、肘関節、手関節の患者さんを診させていただく機会が多く、肘の疾患の方は伸展制限がよく見られます。今回この文献を読み、関節の動きに対しどの組織がどの様な動態を表しているのか知ることで、関節可動域制限を引き起こす要因となる軟部組織を考える機会となりました。
今回肘関節伸展動作時のERCLの動態を知り今度着目して操作を行うように心がけようと思いました。また、今後も多くの文献を読みたいと思います。

投稿者:鈴木千愛



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